起業時、「補助金を使えば資金繰りがうまくいくのでは?」と考える人は多いと思います。私も漠然と、補助金があるなら使いたいと考えていました。
でも実際には、起業後に補助金の申請はしていません。補助金は今すぐ自由に使えるお金ではなく、申請にはさまざまな条件があり、手間や時間もかかるからです。
私が起業後すぐに補助金申請をしなかったのは、必要な支援を受けておらず、そもそも申請対象外だったから。仮に条件を満たしていたとしても、その時点では申請しなかったと思います。必要な条件を満たす方法も調べ、申請の検討はしました。でも、補助金は支給が決まっても、すぐに資金として使えるものではなく、何でも自分でこなす起業初期に申請作業を加えるのはしんどすぎる…と思い、申請は一旦しないことにしました。起業した理由を考えても、本末転倒だと感じたのです。
この記事では、補助金を使わずに起業したリアルな理由と判断の背景を、実体験ベースでお伝えします。
補助金は今すぐ使えない?起業後すぐに申請しなかった理由
補助金は誰でもすぐに使えるお金ではありません。実際には、申請までにさまざまな条件や準備が必要で、時間も手間もかかります。起業してすぐのタイミングでは、申請作業の負担が大きく、私にとって現実的ではありませんでした。この章では、補助金を使わなかった理由について、具体的にお伝えします。
補助金って誰でも使える?→申請ハードルの現実
起業したらすぐに補助金を使える、と考えている人は多いと思います。
私も実際に申請を検討して、調べたことがあります。
しかし、補助金の申請には前提条件があり、誰でもすぐに使えるわけではありません。たとえば、起業時に利用されることが多い「持続化補助金」のは、申請そのものがハードルです。
GbizIDの取得をはじめ、書類の準備、申請時期の制限など、多くの手間が発生します。補助金は「もらえるならラッキー」と思っていましたが、申請するだけでも大変な労力が必要でした。
知らなかった・受けられなかった|特定創業支援の壁
持続化補助金の中でも、創業初期に使える「創業枠」は、さらに条件が厳しくなります。
私は当初、「創業枠」があることを知りませんでした。
実際に調べてみると、「特定創業支援等事業」を受けていないと申請ができず、私が受けていた起業講座はその対象外。対象となる商工会議所などの創業塾も定員制で、私のタイミングでは受講できませんでした。
その後、「創業済み向け」の支援もあると知り、現在は該当する講座を受けています。起業前に知らなかったことで、申請の機会を逃していたのが現実です。
補助金の「盲点」|思ってたより使いづらい?
補助金は「もらえたら助かるもの」として期待されがちですが、実際には制約が多く、思っていたより使いにくいと感じました。
申請できる期間や使える費用の種類も限られており、使いたい時に自由に使えるお金ではありません。この章では、実際に感じた補助金の「盲点」についてご紹介します。
申請期間・対象制約が多い→タイミング次第で使えない
補助金には申請できる期間が決まっており、いつでも申請できるわけではありません。また、補助金の対象となる費用も細かく定められていて、すべての支出が対象になるわけでもありません。
たとえば、申請する前に発生した費用は対象外になります。つまり、補助金の存在を知ってから動いても、すでに支払い済みのものは補助の対象になりません。
私は「補助金があるから使おう」と考えていましたが、タイミングによっては使えないケースがあると知り、使いづらさを実感しました。
立替発生・後払い→柔軟に動けないリスク
補助金は、申請してすぐにお金がもらえるわけではありません。事業を進める中で、まずは自分で費用を立て替え、後日支給される流れになります。
この「立替」が必要な点が大きなハードルでした。私は起業初期で手元資金も限られており、大きな費用を一時的にでも支出するのはリスクが高いと感じました。
補助金が使えたとしても、事業資金に余裕がないと自由に動けず、結果的に柔軟な行動が取りづらくなるのではと考え、利用を見送りました。
補助金なしでも起業!費用を抑えた私の工夫
補助金は魅力的な制度ですが、必ずしも申請する必要はありません。私は補助金を使わず、自分ができる範囲で無理なく事業をスタートしました。限られた資金の中でどう動いたか、実際の取り組みをご紹介します。
資金的に無理せずDM配布→コスト分散で対応
私は事業開始にあたって、集客の一環としてDMを配布しました。ただ、一度に大量のDMを印刷・配布するのはコストがかかります。そこで、対象エリアを細かく分け、少しずつ配布することで費用を抑えました。
これなら資金の負担が大きくならず、自分のペースで集客活動ができます。限られた資金でも工夫をすれば、できることはたくさんあります。補助金がなくても、無理せず進める方法はあると感じました。
補助金は今後の加速フェーズで検討中←今まさに受講中
私は現在、補助金活用を見据えて「特定創業支援等事業」に該当する講座を受講中です。補助金をまったく使わないわけではなく、今後事業を加速させるタイミングでの活用を考えています。
起業初期は「やりくり優先」でしたが、一定の収益が見込める段階で補助金を利用する方が、余裕を持って動けると判断しました。使うなら「今」ではなく「その時」に。補助金も事業の段階に応じて考えれば、無理なく活用できると思います。
まとめ
補助金は魅力的な制度ですが、使うには条件や手間が多く、起業初期に無理をしてまで申請する必要はないと感じました。実際に私は補助金を使わずに、自分のペースで事業を始めています。
もちろん、補助金を活用すれば事業の加速にはつながります。だからこそ、無理なく進められる時期を見極めて、必要になった時に申請すれば良いと思います。
補助金がないから起業できない、ということはありません。まずは自分の状況に合わせて、できることから一歩ずつ始める。それが、無理なく起業を続けていくために大切なことだと感じています。