千里の道も一歩から

起業セミナーは受講必須?受けるメリットと受講のリアル

「起業セミナーは、受けるべき?」
「起業したいけど、何から始めていいかわからない」
そんなとき、起業セミナーの受講を検討すると思います。

私自身、起業のための情報収集や準備としていくつかのセミナーを受講しました。
では、そういったセミナーを受講しないと起業できないのか?と言われればそうではありません。
実際の開業に必要な手続きや届け出も独学で対応できます。

とはいえ、セミナーには「受けてよかった」と思える点もありました。
起業までの道筋が整理されたり、具体的な準備のヒントが得られたりと、独学では得にくい視点を得られたのです。

この記事では、起業セミナーを受けるメリットや注意点、受講経験を通じて感じたリアルをお伝えします。

起業セミナーは本当に必要?

起業セミナーは、必ずしも受講しなければならないものではありません。
実際、開業に必要な手続きや届け出は、ネットで情報を集めて自力で対応することも可能です。

私も起業前にいくつかのセミナーを受けましたが、「起業の手続き」に焦点を当てれば、受講しなくても開業はできたと思います。
ただ、セミナーに参加したことで「思っていたよりも起業は現実的だ」と感じることができたことは大きな収穫でした。

特に、事業の立ち上げに必要な準備を段階的に整理できた点は大きかったです。
自分ひとりで調べていたときは情報が断片的にしか入ってこず、何から手をつけていいかわからない状態でした。
しかし、起業セミナーを受講すると、」断片的だった情報が時系列でわかるようになり、起業までの流れや考えるべき要素を一通り押さえることができるようになりました。

また、後になって知ったのですが、自治体の助成金や制度の中には「特定創業支援等事業」のを受けるが必須条件になっているものもあります。

私はこの点を知らず、制度対象外のセミナーを選んでしまい、あとから追加で対象セミナーを探す必要がありました。
起業後に助成金を活用したいと考えている方は、受講するセミナーが「特定創業支援等事業」に該当するかどうかも確認しておくと安心です。

起業セミナーのメリットとは

起業セミナーは、必ずしも受けなければならないものではありませんが、受講すれば確かなメリットがあります。

特に感じたのは、「情報の流れを順序立てて耳で聞ける」ことの強さです。
ネットや本で独学しようとすると、自分の関心があることばかりを拾ってしまい、起業に必要な全体像をつかみにくいという面があります。

私も一番初めはネットでの情報収集から始めましたが、セミナーを受講したことで「考える順番」や「取り組む優先順位」が明確になりました。
セミナーでは、起業準備の流れが時系列で解説されるため、必要な知識を体系的に整理するのにとても役立ちました。

また、講師による具体的な体験談や事例紹介があるのも、セミナーならではのメリットです。
「こういう視点もあるのか」と気づけたり、「これは今の自分には合わない」と判断する材料になったりと、独学では得にくい実感を伴った情報が得られました。

セミナーの内容は講師や主催団体によって異なりますが、無料のものでも自分が「何を知りたいか」に合っているものであれば十分に有益な情報は得られます。
起業に向けてまずは全体像を把握したいという段階で、一度参加してみるのはおすすめです。

起業セミナーの種類と選び方

起業セミナーと一口に言っても、主催者や内容、料金体系はさまざまです。
どのセミナーを選ぶかによって得られる情報の質や深さが変わるため、見極めはとても重要です。

ここでは、起業セミナーの主な種類と、それぞれの特徴を解説します。
公的機関が主催する信頼性の高いものから、個人や企業が実施する専門性のあるセミナーまで、選択肢は多岐にわたります。

自分に合ったセミナーを選ぶための判断材料として、ぜひ参考にしてみてください。

公的機関が主催するセミナー

起業セミナーのなかでも、商工会議所や中小企業支援センターなどの公的機関が主催するセミナーは、信頼性が高く、初めてのセミナー受講にも適しています。

内容としては、地域の商圏や制度を踏まえた実務的な話が中心です。
起業に必要な基礎知識やステップを体系的に学べるものが多く、はじめの一歩としてバランスの取れた内容になっています。

また、創業支援のなかには、「特定創業支援等事業」に指定されたセミナーの受講が条件になっているものもあります。

私はこのことを知らず、対象外のセミナーを先に受講してしまい、あとから該当セミナーを探して受け直すことになりました。
助成金や融資の活用を考えている方は、受講予定のセミナーがこの「特定創業支援等事業」にあたるかどうか、事前に確認しておくと安心です。

公的機関のセミナーは、参加費が無料または数千円程度と良心的で、営業目的の勧誘がない点も安心材料のひとつです。
「まずは何から学べばいいか」を知る段階では、公的機関のセミナーをひとつの基準にするのがおすすめです。

民間企業・個人が主催するセミナー

民間企業や個人が主催する起業セミナーには、実体験をもとにした内容や、特定の条件に当てはまる人向けに絞ったテーマが多く見られます。

たとえば「副業から独立した人のリアル」「子育てと両立しながら起業した体験談」「フリーランス税理士が語る価格設定の考え方」など、講師自身の経験に基づいた切り口が特徴です。

公的機関のセミナーが網羅的・体系的であるのに対し、民間のセミナーは**「似た立場の人の経験から学べる」**点に価値があります。
自分に近い立場の人が、どんなふうに起業に踏み出したのかを知りたい場合には、大きなヒントになります。

一方で、情報の信頼性や中立性には差があるため、主催者や講師の実績、発信内容などを事前に確認しておくことが大切です。
また、こうしたセミナーはその後のサービスやコンサルティングにつながる導線となっていることもあります。
必ずしも悪いことではありませんが、「何を目的に参加するのか」を明確にしておくと、内容とのギャップを感じにくくなります。

私も、個人主催のセミナーを受けてみました。
当事者としての経験談に重きを置いたセミナーは、正解を教えてもらう場というより、「こんなふうに起業した人もいるんだ」と気づきを得る場となりました。

無料と有料の違い

起業セミナーには、無料で参加できるものと有料のものがあります。
どちらが良い・悪いというわけではありませんが、目的に応じて選ぶことが大切です。

無料セミナーは、公的機関が主催しているケースが多く、基本的な内容を広く浅く学べる傾向があります。
起業の全体像を把握したい、制度の概要を知りたいといった初心者には向いています。

一方、有料セミナーは、講師の専門性やサポート体制に重点を置いているものが多く、特定のテーマに絞って深く学びたい場合に適しています。また、セミナーと起業までのサポートをセットにしているものもあるようです。
少人数制で質疑応答の時間が設けられているなど、参加者の理解度を意識した構成になっていることもあります。

私は、一旦公的機関の無料の起業セミナーを受けた後、実際の体験談が知りたかったこともあり、その後有料(といってもごく少額)のセミナーを受講しました。
無料セミナーでは起業のいろはを網羅的に知ることができ、参加してよかったです。

費用の有無よりも、自分が今どんな情報を求めているのか、どこまで深く学びたいのかを整理してから選ぶのがおすすめです。

「怪しいセミナー」を避けるには

起業セミナーの中には、あまり信頼できない内容や、高額な契約につなげることだけを目的にしたものも存在します。
実際、「起業セミナー 怪しい」といった検索ワードがあることからも、一定の警戒心を持っている人が多いことがわかります。

すべての営業要素が悪いというわけではありませんが、参加前にいくつかのポイントを確認することで、納得感のある受講につながります。

  • 主催者や講師の実績・経歴が明確か

  • 無理な成功ストーリーばかりが強調されていないか

  • 料金や提供内容が事前に公開されているか

  • 口コミや過去参加者の声に違和感がないか

また、初回が無料でも、2回目以降の講座やコンサル契約が前提となっているケースもあります。
そうした仕組み自体は問題ではありませんが、「知らなかった」「想定外だった」とならないよう、事前に全体像を把握しておくことが大切です。

やはり、公的機関のセミナーや自治体のホームページに掲載されている支援事業などは、こうしたリスクが少なく安心して参加できます。

自分に合ったセミナーを選ぶコツ

起業セミナーは数も種類も多いため、「なんとなく」で選ぶと、自分の目的に合っていない内容だったということになり、時間(とお金)を無駄にしてしまいます。
限られた時間とお金を有効に使うためにも、自分にとって必要な情報が得られるセミナーかどうかを事前に見極めておくことが大切です。

セミナー選びのポイントとしては、次のような視点があります。

  • 自分が今どの段階にいるか(起業前/準備中/すでに開業済み)

  • 知りたいのは「全体像」か「具体的なノウハウ」か

  • 講師がどんな立場・経験を持っているか(共通点があるか)

  • 受講形式は自分に合っているか(対面/オンラインなど)

オンライン形式のセミナーであれば、遠方のものでも参加しやすく、録画配信形式であれば時間や場所を選ばず参加しやすいです。
ただし、その場で質問ができないこともあるため、直接的なやりとりを重視したい方には対面型のほうが向いているかもしれません。

受講後に「なんだか物足りなかった」「聞きたいこととズレていた」とならないよう、申込前にセミナーのゴールや対象者が明記されているかもチェックしましょう。

すべてのセミナーが自分に合うとは限らないからこそ、「選ぶ視点」を持つことが必要です
自分に合ったセミナーを選ぶことで、時間も学びもより実りあるものになります。

補助金・助成金を考えているなら要注意!

起業後に補助金や助成金の活用を考えているなら、どんなセミナーを受けるかは非常に重要です。

中でも注意したいのが「特定創業支援等事業」に該当するセミナーかどうか。
このセミナーを受講していないと、申請条件を満たせず対象外となる補助金や助成金もあります。

私自身、このことを知らずに対象外のセミナーを先に受講してしまい、あとから対象となるセミナーを受けることになりました。
既に受講済みのセミナーと重複する内容がほとんどで、「先に知っていれば・・・」と思いながら受講しました。

補助金や助成金の申請をほんの少しでも考えているのであれば、「これは特定創業支援等事業に該当するか?」といった点を確認しておくことが大切です。
自治体の公式サイトや、商工会議所の窓口などに確認すると確実です。

セミナーの内容がどんなに実りあるものでも、制度の対象外であれば補助金申請の際に使えません。
「助成金・補助金を前提に動くなら、最初に制度対応セミナーを確認する」のがポイントです。

まとめ

起業セミナーは、必ずしも受講が必要というわけではありません。
しかし、起業に向けた情報を整理したり、視野を広げたりするうえで、有効な手段となることは確かです。

特に、「起業ってどう進めたらいいの?」「何から手をつけたらいい?」という段階の方には、全体像をつかむうえでも役立ちます。

一方で、セミナーには主催者や内容の違いがあり、すべてが自分に合うとは限りません。
自分の目的や段階に応じて、内容や講師、受講形式を比較検討することが大切です。

また、補助金や助成金の活用を考えている場合は、制度の対象となるセミナーを選ばないと後々困ることになります。
セミナーを選ぶ段階で制度対応しているかどうかも、必ず確認しておきましょう。

セミナーはあくまで「起業準備の一手段」です。
情報を取捨選択する力を持ちながら、自分に合ったものを活用していく姿勢が、起業後にもきっと活きてきます。

 

  • この記事を書いた人

MeCAN

一生会社員だと信じて疑わなかったのに育休中に必要に迫られて起業した一児の母┃会社員時代と変わらない生活維持をすることが目標のひとり社長┃事業は会社員時代と同じ事をやっている知識業┃キラキラしてるだけが起業じゃない

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