起業に興味はあるけれど、何から始めればよいのか分からない。
そんな方に向けて、会社員から起業した私が、実際に最初に取り組んだことを3つ紹介します。
すぐに開業や届け出をする前に、現実を見据えた準備をしておくことで、起業が身近な選択肢になります。
起業を「具体的に考え始めた方」に役立つ内容です。
起業するしかない!そう思って最初に取り組んだこと
「起業するしかない」
そう感じても、それが本当に現実的なのか、生活していけそうか、しっかり考える必要がありました。
すぐに事業を始める前に、自分の中で「本当にできるのか」を見極める時間が必要だったのです。
ここでは、実際に起業を意識し始めたときに取り組んだ3つのことを紹介します。
実例からイメージを具体化する│実際の話を聞きに行く
会社員として働いていると、独立や起業という選択肢は、なかなか現実的なものとして考えにくいかもしれません。
私自身もそうでした。
転職を2回経験しましたが、1社目でも2社目でも、独立開業して会社を卒業していく方がいました。
特に2社目では、1年ほどの間に3人ほどが「起業」を理由に退職していきました。
社内ベンチャーとして事業を立ち上げた方もいて、「会社員以外の働き方」が身近に感じられるようになっていきました。
そうした出来事を通して、「起業」は現実的な働き方の一つになり得ると感じていたのです。
ただ、それを自分ごととして捉えるには、もっと具体的なイメージが必要でした。
そこで、すでに独立して働いている同業者や、近い領域で活動している方を探し、ブログやホームページを読み込み、実際に会って話を聞かせてもらいました。
起業を考えるうえで、実際に話を聞くことは、とても大きな一歩になったと思います。
他者の視点を借りる│信頼できる人に話して整理する
起業を現実的に考えるうえで、信頼できる人に話を聞いてもらうことも、大きな助けになりました。
自分のことをよく知っていて、厳しいことも率直に言ってくれそうな人に、今の状況や起業してやりたいことを話してみたのです。
会話の中で、自分では気づいていなかった曖昧な部分や、詰めきれていない点が次第に明らかになっていきました。
どこが不明確なのか、何が甘いのか――それは、ひとりで考えていてもなかなか見えてこないものです。
第三者の視点を取り入れることで、起業のイメージがより現実的なものになっていきました。
起業について信頼できる人に話してみることは、想像以上に意味のある行動だったと感じています。
起業後の暮らしを想像する│どう生活したいか、暮らしをシミュレーション
私は、起業してバリバリ稼ぎたい!独立して自由きままに!という意識ではなく、生活の糧を得るために会社員以外の方法を模索した結果として起業しています。
なので、起業を考えるとき、最も必要な視点は「この生活で本当にやっていけるのか?」というものでした。
どれくらいの期間で収益化できそうか、どの程度の収入を見込めるか、扶養の範囲内に収まるかどうか——。
金銭的な面に加え、仕事に割ける時間や作業場所についても具体的にシミュレーションしました。
自宅に作業スペースを確保できるか、そもそも必要かどうかも含めて、生活とのバランスを見直すことが重要でした。
事務所を借りるかどうかの判断も、生活と事業の両立をイメージする中で見えてきたのです。
起業したあとに「生活が成り立たない」とならないよう、生活のシミュレーションは欠かせない準備のひとつでした。
起業をカタチにするためにやったこと
起業について現実的に考え、自分のなかで整理がついたあと、次は「見えるカタチ」にしていく段階に入りました。
頭の中にある構想を言葉にし、相手に説明できる状態にすることで、事業としての方向性が明確になっていきます。
私が実際に行ったのは、事業計画書の作成と、ホームページの立ち上げです。
この2つは、起業の準備段階として大きな意味がありました。
「起業」を言語化して整理│事業計画書を作成してみる
「起業」を頭で考えているだけでは、事業の正当性、実際にどう動くかなどが明確になりません。
「なんとなくやりたい」では伝わらないし、自分でも気づいていない曖昧さや無理があるままで進めても事業として成り立たないと思い、商工会の相談員である姉に聞いてみました。
そうすると、「事業計画書」の作成をすすめられました。
事業計画書は、個人事業主にはあまり関係ないもの、融資や出資を受ける予定があれば書くもの、という認識でしたが、決してそうではありません。
姉の言葉を借りれば「融資が受けられるということは、それだけ将来性があるということ」。
例え融資を受ける予定がなくても、事業計画書を書いてみると数値に落とし込めない部分や、想定の甘さに気付く事ができました。
計画書を作成したことで、ぼんやりしていた構想がようやく自分の中でも整理され、しっかりと「起業」の輪郭が見えるようになった気がしました。
必須ではありませんが、起業を考え始めたら早い段階で事業計画書を作成することをお勧めします。そうすることで、本当に事業が実効性のあるものか、わかると思います。
私自身、起業を形にする第一歩として、とても有効なプロセスでした。
事業内容の可視化│ホームページを作成する
起業を決めた段階で、私は事業用のホームページを立ち上げました。
これは、すでに起業している方の話を聞く中で「実績がないうちは、ホームページが信頼につながる」と何度も聞いたからです。
特にBtoBでのサービス提供を考えている場合、名刺やチラシだけでなく、しっかりとしたホームページがあることは信頼性の面で大きな意味を持ちます。
また、異業種交流会のような場でも、URLを伝えるだけで事業の概要を補足できる点で役立ちました。
起業後も、問い合わせ窓口としてホームページが機能する場面は多く、後からではなく早めに準備しておいてよかったと実感しています。
サーバー契約やドメイン取得といった準備は必要ですが、初期投資としては比較的負担が少なく、今後の展開も見据えた基盤としておすすめです。
まずは情報収集│「起業」が浮かんだら要確認
起業を現実的に考え始めたとき、何よりも役に立つのは「信頼できる情報」です。
SNSやネット上には多くの起業ノウハウがありますが、中には情報が古かったり、再現性が低いものもあります。
情報源としては、公的機関やそれに準じた信頼性のあるものをおすすめします。有料講座などもたくさんありますが、特にまだ起業を迷っている段階でれば、コストをかけずに情報が得られるのでお勧めです。
ここでは、実際に参考にしてよかったと感じたものを紹介します。
無料で学べる起業の基礎│J-Net21「起業マニュアル」
起業を現実的に考え始めたとき、基本的な流れを把握するのに役立ったのが、J-Net21の「起業マニュアル」でした。
運営元は中小企業基盤整備機構で、公的な情報源として信頼できます。
「起業マニュアル」は、起業の手続きや資金、ビジネスモデルの考え方まで、幅広いテーマがまとまっていて、無料とは思えない充実ぶりです。
さらに、ステップごとに短くまとめられているので、読み進めやすい点も大きな魅力でした。
私自身、起業を決める前の情報収集として活用しましたが、後になってからも何度か読み返しています。
初期の段階で読むと、自分の考えの整理や準備の方向性を掴む助けになると思います。
実は身近な支援先│商工会や中小機構のサポート
「起業に関する相談先」というと特別なものに感じるかもしれませんが、思っているより身近で相談しやすいのが商工会や中小企業基盤整備機構(中小機構)です。
商工会や商工会議所と聞くと、起業している人が色々相談するところ、というイメージがあるかもしれませんが、実は起業支援も相談の範疇なんです。
特に商工会・商工会議所、中小機構はどちらも公的な機関として運営されており、創業準備に役立つ情報やアドバイスの多くが無料で提供されています。
ホームページでの情報提供はもちろん、無料で受けられる起業塾もあります。
まずは各機関のホームページを確認し、起業に関するページを一度チェックしてみてください。
「こういう制度があるんだ」と知るだけでも、不安が少し軽くなるはずです。
まとめ
起業は特別な人だけがするものではなく、「今の働き方では難しい」「自分で生活を組み立てたい」──私自身がそうであるように、現実的な選択肢でもあります。
今回ご紹介した内容は、私自身が「起業するしかない」と感じたときに実際に取り組んだことです。
起業に対する意識の前向きさはさておき、必要な情報・正しい情報を集め、少しずつ形にしていくことで、不安が「私にもできるかもしれない」に変わっていきました。
「起業」がよぎったからといって、必ずしも起業しなければならないわけではありません。
必要な・正しい情報を集めて検討し、自分はやっぱり起業じゃない、と感じたらそれでもOK。
いずれにしても、情報を集めてしっかりと検討するというプロセスを経ることで、納得できる答えになるはずです。
「会社員以外の道」がもしかしたら一番ご自身に合うものかもしれません。
私の経験が誰かの役に立てれば幸いです。