「起業したいけど、お金ってどれくらいかかるんだろう?」
そう思ったことはありませんか?
実際、起業にお金がかかるのは事実。でも、業種やスタイルによって必要な金額は大きく変わります。私の場合、知識や経験を活かす「ひとり起業」だったので、大きな借入も設備投資もなし。自己資金の範囲でスタートしました。
この記事では、そんな私が起業初期に実際にかかった費用と、費用を抑えるために工夫したことをリアルにご紹介します。高額な起業支援やセミナーでは語られない、生活感ある視点での起業費用の話。これから無理のないスタートを切りたい方の参考になればうれしいです。
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起業にかかる費用は?前提と考え方
起業に興味はあるけれど、真っ先に気になるのが「お金のこと」。
とくに「できるだけ無理なく」「会社員を辞めても暮らしていけるか」が気になる方にとって、起業に必要な費用感は大きな関心事ではないでしょうか。
この記事では、実際に自己資金だけでひとり起業した私の体験から、どんな準備をして、どんな工夫で費用を抑えたのかを具体的に紹介していきます。
まずは、「そもそも起業費用とはどんなものか」、そして「どんな前提と考え方でスタートを切ったか」からお伝えします。
起業費用は業種やスタイルで大きく異なる
起業にかかる費用は、「業種」や「起業スタイル」によって大きく変わります。
たとえばカフェや美容室などの店舗型ビジネスでは、内装費やテナント契約、設備投資などで数百万円規模の初期投資が必要になることもあります。
一方で、パソコンとネット環境があれば始められるような事業──たとえばライター、デザイナー、コンサルタントといった知識やスキルを活かす働き方であれば、初期費用はかなり抑えることが可能です。
私自身も、専門型コンサルタントとして起業しており、そもそも仕入れや設備投資が必要ないため、実際にかかった初期費用は少額で済みました。
つまり、起業費用は業種次第で上下するもの。
だからこそ、周囲の「いくらかかった話」に惑わされず、自分に必要なものを見極めることが第一歩です。
0円でも使えるものはたくさんあります。
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無理なく始める起業とは?│起業が負担にならないために
私が起業を選んだのは、育児を含む家庭の事情から、会社員として働き続けることに現実的な限界を感じたからです。
けれど、事業に回せるほどの貯金が潤沢にあるわけでもなく、借入も家族に反対されていた状況でした。
そんな中で私が重視したのは、会社員時代と同じ生活水準をできるだけ維持しながら、起業を現実的な選択肢にすること。
・無理な借入はしない
・初期費用はできるだけ抑える
・持っているものでできることから始める
この3つを意識して、私は「自己資金で、できる範囲から少しずつスタートする」形でのひとり起業を選びました。
これが、起業=一世一代の大勝負ではなく、生活を維持していくための手段として起業を選んだ私の進め方です。
実際にかかった初期費用|準備したモノと内訳
「起業っていくらかかるの?」という疑問に、私のようなひとり起業の場合のリアルな内訳を紹介します。
事業の内容や働き方によって必要なものは変わりますが、私が実際に支出した初期費用は、大きく分けて次の3つのカテゴリに分類できます。
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作業環境整備のための費用(パソコン・周辺機器など)
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信頼性や周知のための費用(ホームページ・名刺など)
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情報収集のための費用(セミナー・会食など)
これから紹介するのは、「これは買ってよかった」と思えたものもあれば、「正直そこまで使ってないな…」というものも含めたリアルな記録です。
すべての人に必要なわけではありませんが、「どこにお金をかけると満足度が高いのか?」の参考になればうれしいです。
作業整備のための費用│パソコンや周辺機器
もともとプライベート用のPCはありましたが、仕事と完全に分けたかったのと、業務の効率を考えて新たに事業用を購入しました。
PCはHPの法人向けオンラインストアで購入しました。法人向けとなっていますが、実は個人事業で主でも購入できます。ビジネス用に十分なスペックを持っていながら、意外とお手軽な値段のものあるのでおすすめです。
実際に購入したものは以下のとおりです。
※値段は購入当時のものです。
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ノートPC(オフィスソフト込み)……約20万円
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ヘッドセット……約15,000円
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フルサイズキーボード……約15,000円
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トラックボールマウス……約5,000円
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ICカードリーダライタ……約3,000円
パソコンは仕事道具そのものなので、ここは多少費用がかかっても「買ってよかった」と今でも感じています。
特に、在宅での長時間作業が前提だったため、キーボードやマウスの使い心地は作業効率に直結します。
ICカードリーダライタは、e-Taxで開業届を提出する際にも使いました。確定申告だけでなく、開業時の手続きでも出番があるため、先に購入しておいて正解だったと感じています。
私は子どもが0歳のときに開業したのですが、税務署に出向くのはかなりハードルが高く、リーダライタのおかげで時間を気にせず手続きできたのは本当に助かりました。
信頼性や周知のための費用│ホームページや名刺
ひとり起業といっても、仕事の相談やご契約を頂くためには、相手に安心してもらえる“見せ方”が必要だと感じました。
そのため、開業を決めてからは最低限の「信用づくり」と「周知の準備」としてホームページの作成をすすめました。また、すぐに営業活動に使えるように、名刺も作成。
高額な広告やブランディングではなく、自分でできること・自分で手が届く範囲で整えています。
独自ドメイン+レンタルサーバーでホームページ開設
無料ブログも検討しましたが、事業用として発信するなら独自ドメインの方が信頼性があると感じ、WordPressでホームページを立ち上げました。
サーバーは「エックスサーバー」、ドメインはキャンペーン期間中に取得したため初期費用は実質ゼロ。
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レンタルサーバー代(1年分)……約12,000円
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独自ドメイン代……キャンペーンで無料(更新費用は別途)
初期設定やデザインにはそれなりに時間がかかりましたが、当時はスケジュールに余裕があったこともあり、名刺代わりになる存在として開設してよかったと思っています。
宣材写真と名刺で営業ツールの素材を確保
名刺は、最初の営業活動やご挨拶の場で「ちゃんと仕事としてやっている」と伝えるために準備しました。当時はビスタプリント(現在は日本でのサービス終了)を利用し、100枚ほど印刷して約15,000円程度でした。
後日、事業の核となるサービスをスタートさせたこともあり、裏面にサービス紹介を入れた名刺をデザイナーさんにお願いして作ってもらっています。
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名刺代……約15,000円
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宣材写真……22,000円(プロのカメラマンに依頼)
写真はプロフィール用、ホームページ用、資料用など、用途を想定して複数パターン撮影してもらいました。少し高めの支出にはなりましたが、実際に多用途で活用できており、結果的にコスパはよかったと感じています。
名刺は直接的な、宣材写真はその名の通り素材として、営業ツールとして使っています。
「きちんとしている印象を与えるための最低限の整備」を意識したのが、この段階です。
全てを完璧に揃える必要はありませんが、「信頼してもらえる形を最初にどう作るか」は、ひとり起業でも大切なポイントだと実感しています。
情報収集のための費用│セミナーや会食など
起業準備の中で、案外見落としがちなのが「情報収集にもお金がかかる」ということです。
私は自己資金だけでスタートしたこともあり、高額な起業塾や有料セミナーには参加していませんが、必要な知識を得るための情報収集には費用がかかりました。
無料〜低額の起業セミナーを選んで参加
当時は「起業とは?」という全体像をつかむために、自治体や商工会議所が開催する無料セミナーにいくつか参加しました。有料といっても2,000円程度のもので、短時間で概要がつかめるような、かつ、スモールスタートを推奨しているものを選びました。
セミナー代……約2,000円
派手なプレゼンや自己啓発的な内容ではなく、ベーシックで、自分が目指す起業の在り方に近いテーマの方が参考になりました。
「高額な起業セミナーに行かないとダメなのでは?」と思われがちですが、実際には身近な情報だけでもスタートには十分だったと感じています。
実際に起業している人から話を聞くことの価値
実感として、セミナーよりもなによりも参考になったのは、実際にひとりで仕事をしている人から話を聞くことでした。
体験を直接聞けるため、とても具体的で、自分の進め方をイメージするヒントが得られました。
私は、自分が起業したい内容と同業で起業している方にお話を聞かせていただきました。
その際にかかったのが、カフェでの会食代や交通費など。
情報収集の手段として必要だった出費であり、私は必要経費として割り切って使いました。
会食・交通費……約15,000円
こうした費用は「見えにくいけれど、じわっとかかる部分」です。
でも、無理に何十万円も払わなくても、少額で実践的な情報を得る手段はあると実感しています。
起業準備中の方は、まずは身近な場から参加してみるのがおすすめです。
まとめ
起業にかかる初期費用は、「業種」や「働き方」によって大きく異なります。
そして、すべての人に共通する「これだけは必要」という正解があるわけではありません。
私自身は、事業に回せるお金が限られていたこともあり、自己資金だけで、できる範囲からスタートする道を選びました。
その中で、実際にかかった費用は、次の3つに集約されます。
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作業環境整備のための費用
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信頼性や周知のための費用
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情報収集のための費用
どれも「これだけあれば十分」というラインは人によって異なりますが、今回紹介した内容が、無理なく起業を始める際の一つの目安になれば幸いです。
起業の初期費用は、やり方次第で調整できます。
大きな投資をしなくても、「できるところから始める」ことは可能です。
自分にとっての最適なスタートラインを見つけてください。